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December 20, 2004
オレ流(The guy's process)
オレ流とは、英語にしにくい言葉です。Selfishみたいな方向だと色々と言葉がありますが、新奇なイメージを表現しているように思うので、The guy's process(あいつのやり方)としてみました。
日本のニュース記事を見ていると、その中日の落合監督の新人に対することが載っていました。『オレ流』と名付けられている監督のやり方は、実力主義をなかなか正しく評価しているように思われます。割とアメリカの企業のやり方に似ている部分があるので対比しながら私の感じることをご紹介します。
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即戦力
即戦力が欲しいと希望し、ドラフトでは高校生を取りませんでした。一般的な高校球児は、そのまま1軍でプレーしても通じないことが過去の事例を見ると頷けます。逆に、社会人や大学リーグでそれなりの成績を残した人は、入団後の年から活躍する人もちらほらあります。やはり高校を出た段階では、まだまだ成長過程であるわけで育ててチームカラーに馴染ませるにはいいのだけれど、直近の仕事でのゴール(次のシーズンで勝つチームを作ること)をめざすには、見合わないリソースとみなされたことに頷けます。
アメリカ企業での(知的労働者の)採用は、ポストありきです。会社として、チームとして、次の飛躍に、プロジェクトにかくかくしかじかの人材が必要という前提があり、現在不足する部分をオープンポストとして公募します。当然ながら、期待される仕事の内容が決まっているので、どのような実績、経験、知識などが必要とされるか?とそれに見合うはずの給与やインセンティブがセットになって公募されます。
野球の側に喩えるなら、今年は左ピッチャーの不足に悩まされたので来年は補強したい。でもドラフト外の自由枠の目玉だと○○程かかるだろうから、全体の予算とのバランスでドラフト1位指名レベルでこの程度の予算で取りに行こう・・・。と言う感じでしょうか。
スタートライン
新人を1軍キャンプと同行させるということが、珍しいので新聞記事に上がっていましたが、即戦力で取ってきたのなら、同じレベルか少なくとも競えるレベルにないと到底他チームとの戦いで戦力とみなすことができません。即戦力と評価したのなら、報酬とともに仕事の内容もマッチしないと言葉と行動の齟齬が起こりますね。
ただ、個人の実力はお金で測る報酬とは異なり、同じ土俵に乗っていないとなかなか見えない部分もあります。学生リーグ、社会人リーグとプロの土俵は全然違うので、即戦力と事前評価しても実際の所は判らない部分があるように思われます。これを同じ物差しで見直して再評価する(正規化する)意味で、その年の初め同じようにスタートして、大体定規のどの位置にいるのかを見ようと言うのは理にかなっていると思います。
企業では、採用時にドラフト同様に採用側の選択権による競争がありますが、採用されるとポジションは固まります。日本だと、就業年数(経験年数)ベースである程度昇進があるかもしれませんが、アメリカでは一般にそのような昇進はありません。昇進を受けるためには、その上のレベルに達していると判断される実績を上げるか、別の公募されるポジションに応募して採用されることが必要です。もう一つ実力を判断される機会は、昇進とは全く反対のレイオフがあるときです。全くの実力だけではないこともレイオフの時にはありますが、同じような職種に複数の人がいると当然査定がばらつくので給与などの待遇だけでなく、状況が厳しいときの生き残りにも影響します。
自分の意志でリタイアする
新人への言葉として、「自分の意志でやめていく選手になって欲しい」との言葉がありました。なかなか含蓄があります。プロスポーツ選手の寿命は企業で頭脳労働する人より短いことが多いですから、余計に生き残りの競争が厳しくなります。自分より優れたものが採用されると自分のポジションがなくなろというゼロサムゲームは、最低限の天性を持ち合わせた人達だけの集団での競争なので、その熾烈さは想像を絶するものと推測されます。生物としての体力のピークが20台にあるのは自明で、そのピーク以降どれだけ生き残れるかが自分の意志を全うできるかにかかっています。
アメリカの一般の人は、50歳をリタイア(またはファイナンシャル・フリー)の最初のゴールに置いているようです。その目的のために、最初から高学歴を借金(*1)で獲得して進む人もあれば、取りあえず就職して、何をすべきかを見つけてから大学に戻る人もいます。また、転職の合間に学校にというのは結構ある話です。
どのような道筋でも、終身雇用を期待できる職種や企業はあまりないし、働く人の側もそのようなことの前提どころか、期待もないように見えます。ただ、大手企業でそこそこのポジションを得た人は、そこで安定を図ろうとすることはよく見られます。アメリカの企業でもこういう安定は人の繋がりから生まれますが、私の感じる部分では、ある程度以上のポジションであることも要求されるように見えます。これは、ポジションが上がる・・・必ずしも会社上でのヒエラレルキーの高さではなく、専門性があがる・・・ほど競争相手が減ることを意味しているかのように思われます。
こうやっていろいろその人なりに仕事をし、目標が近づき、達成すると、一般には自分の意志でリタイアします。例え働かなくても大丈夫な状況でも、仕事が好きでそのまま続ける人も中にはいています。また、余りにも若くで目標到達したので、敢えて仕事を続けている人もいます。逆に、目標にたどり着けないために働き続ける人もいます。そんな状況ですが、日本で言う所の管理職や経営職の平均年齢はアメリカの方がかなり若いように思えますので、それなりにリタイアによる更新が行われているようです。
日本の企業では、非常に貯蓄性の高い退職金制度がある(あった)ために雇用が確保されれば、所定の年数でリタイアと言うシナリオが描けます。その貯蓄部分を自己裁量にゆだねられるアメリカのシステムは、先に書いたようにリタイアの時期をバラバラにします。バラバラになるというのは、好きで働き続ける人を除けば、目標到達できない人が存在することで、目標達成の一定の困難さを示唆しています。
日本企業のシステムのアメリカ化は、アメリカ同様にリタイアできずに働き続ける人を作る可能性があります。定年をなくす、退職金をなくして給与払いにするなどということを受け入れる(または、受け入れさせられる)人は、自分の意識の上で若いと感じるうちに監督の言葉を考えてみるのもいいかもしれませんね。
*1:実際の統計データは知りませんが、アメリカでは高校卒業以降は親が費用を出さないことが多いと聞きます。また、大学以降の学費も日本よりかなり高いため、ローンを組むことも多いようです。
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promotion: 昇進
compensation: 報酬
incentive: 出来高による
benefit: ベネフィット(報酬のパッケージなど一括する言葉として)
retire: リタイア(退職;その後仕事をしない意味で)
resignation: 退職(職を辞すること;sign-upの反語)
laid-off: レイオフ(解雇;個人に非が無く、会社都合の)
fire: (懲戒)解雇(個人に非があり、会社都合の)
Posted by skydaddy at December 20, 2004 11:59 PM
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